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劇場版エヴァンゲリヲン・序
今回見てきた映画は「劇場版エヴァンゲリヲン・序」
一言でいうなら、TVアニメシリーズの第1話から6話までを再編集し、
新たに作画しなおした作品、である。

アニメ作品エヴァンゲリオンについては、TVで第1話が放送されたときから
ハマって見ていて、物議を醸したTV版の最終話、25話、26話についても、
普通に受け入れることができたし(多分、その頃から小劇場の演劇を見て
いたせいもあると思う)、またその後劇場公開された映画版での25話、26話
を見て、ああ、もう本当にこれでアニメは見なくていいかも、と卒業する
ことが出来た(その後もアニメ作品はチラチラとは見ているけど、ものすご
くハマることはなくなった)という、個人的にはマイルストーンの様な作品
なのである。
なので今回再び劇場用作品としてリメイクされると知っても、そんなに
心ときめくことはなかったんだけど、映画を見に行くたびに流される予告
編や、公開後、様々なブログなどでの評価が予想以上に高かったこともあ
り、見に行くことにして。

見に行ったのが平日のレイトショーの時間だったんだけど、結構劇場は
混んでいて(少なくともHEROよりは)、結構10代〜20代位の若い人たちが
多い印象で。


作品については、ストーリーはおそらく、エヴァンゲリオンについて
アニメなりゲームなりパチンコなりで知っている人には自明の物語だと
思うので、特に触れることはしない。
TV版の名場面、名台詞を上手く編集して、新たにデジタルで描き直された
絵によって、とても綺麗な印象があって。

その一方で、例えば主人公の少年、シンジの持っているのが未だにカセッ
トテープタイプのウォークマンだったりする所に時代を感じてみたり
して。

そんな風に物語の展開や絵のレイアウトは前作とほとんど同じだった事も
あって、今回はより物語に踏み込んで見られたという印象がある。

最初にTVで第1話を見た時って、冒頭の74式戦車の砲列や、漢字を使用した
スタイリッシュなタイポグラフィ、マーチ風のBGMあたりに萌えていたんだ
なあ、と思ったりして。
なんとなく、これから始まる作品が面白そうな予感があったと思うんだよ
ね。

この10年くらい、エヴァンゲリオンという作品自体を見直した事がなかっ
たので、ところどころ失われた記憶を補完しながらも、作品自体には
すんなり入り込むことができました。

で、この新劇場版の、少なくともこの第1作では、前作に比べてより主人公
の少年、シンジとその父親ゲンドウの関係、そしてミサトの内面に対して
深く掘り下げている、という印象が強かった。

おそらくは父であり、司令官であるゲンドウ自身はこの先も"お子ちゃま"
のまま変わることはないんだろうなあ、と思うし、逆に息子、シンジは
この先、どう変わっていくのか、(果たして父親との関係を超えていける
のか)というのが、この作品を通じてのテーマの一つになっていくんだろう
なあ、と思うのだ。

ただし、エンドタイトル後に流れた予告編のナレーションでは、シンジ君
○○○○○○らしいので、どうなるのかは余談を許さないんだけど。


数年前に、精神科医の香山リカが、ニートか引きこもりの人たちを論じる
時に、このエヴァンゲリオンのシンジ君を引き合いに出して語っていた事
があったと思う。
原書はもう処分しちゃったので、記憶にしたがって書くならば、いわゆる
引きこもりの少年たちというのは、シンジのようにある日突然、おめでと
う、君は世界を救うために選ばれました、と誰かに言ってもらえる瞬間を
心待ちにしているんだと。

何のとりえもない自分が、ある日突然、誰かに認められる日を待っている
というのが、エヴァに限らずB級SF映画によくある設定なんだ、というのが
香山リカの言い分だった気がする。

その時何となく、説得された気になったのは、シンジ君の立場っていいな
あ、という気がしたからかもしれない。
同級生で仲間にツンデレ?の美少女がいて、巨乳のお姉さんと同居して、
みたいな感じで。

でも改めて今回、新作のエヴァを見ていて、シンジは結構本気でエヴァに
乗ることは拒否しているんだよね。
先ほどの香山リカの意見とは対照的に、自分が選ばれていることに対して
拒否していて。
それが多分、今回の劇場版の導入部であるこの作品の中で際立っている
部分なんじゃないのかな。

でも確かに、いきなり父親に呼び出されたと思ったら、そこにいる大人達
に有無を言わさずに巨大な人造人間の中に入れさせられて、目の前の化け
物の様な使徒と戦わされ、しかもこてんぱんに痛めつけられた時の痛覚は
ダイレクトに自分に伝わってくると思えば、(ついでに元来の性格が消極的
で殻に閉じこもりたいタイプであるならば)、拒否して逃げたくなる彼の
気持ちもよくわかるなあ、という気になって。

その辺は、もしかして庵野総監督の意図があるとするならば、エヴァ以降
彼がもう少しキャラクターの肉体や身体を通した考え方みたいなものを
描こうとしているのかな、という気になったのだ。

それだけ、シンジというキャラクターが、より等身大のキャラクターとし
て感じられるようになったのかもしれない。
だから、この先、庵野監督が、シンジやミサトや飛鳥というキャラクター
を通じて、どういう物語に片をつけるのか、という事については興味が
わく。
果たして結果的にもう一度同じことを繰り返してしまうのか、それとも
違う世界、関係性を描くことができるのか。

まあただし、見ているこっちもいい加減な大人になって、逃げることも
いとわなくなった、という余裕がある気もするのだが。
つまり、あ、この先の展開がやばそうだと思ったら、多分、そこでこの
エヴァンゲリヲンという物語は、自分の心の中では封印してしまうんだろ
うなあ、と思うし。

だから今回の新劇場版第1作を見終わってみて、全面的な期待を抱くことは
まだできないけれど、とりあえず次回に期待をつないでみたい、という気
にはなったというのが本音に近い所かもしれない。
うーん、正直微妙な感じ。

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