3月の後半は、仕事で英会話漬けの日々を過ごすことになった。
昨年と同様、父親の元に海外から受講生がやってきて、私は通訳の
人のサポート役を務めていたのである。
父親は仁神術という、整体というか手技療法の日本での継承者であり、
また仁神術は、日本発祥の整体法なのだが、日本で唯一その技術を
継承しているうちが怠けているために、日本ではほとんど知られて
いないのだが、アメリカをはじめとする海外では、代替療法、家庭医学
療法として、まあ知る人ぞ知る位には有名なのである。
この辺については、そのうちにでもまた。
ついでに調子に乗って書くなら、私はその技術の継承者の三代目、
ということになる。
一子相伝、ということではあるが残念ながら私には兄弟がいない
一人っ子なので、ラオウやらトキやらアミバみたいな話にはならない
のが、ちょっと残念である。いや、それでいいんだけどさ。
今回は今までとは少し異なり、第1週が父親のワークショップでこちら
はちゃんと通訳がついていたんだけど、第2週にあたる今週は、通訳の
人がいないので、自分で父親の話を通訳しなければならない羽目に
なり。
今回来た受講生の人は、昨年同じ時期に来た人でもあり、時々メール
のやり取りをしている、いわば顔見知りの人なので緊張はしないん
だけど、問題は私の英語能力なのである。
その人には、昨年と比べて私の英語が飛躍的に上達した、と誉めて
もらったんだけど(まあ、大体以前に会った外国人にはそう言われる
のだが)、私の実感としては、一進一退もしくはせいぜい三歩進んで
二歩下がる、という感じであり。
ただね、今回自分で面白いなあ、と思ったのは、私の英会話能力が、
ある事をすることによって、飛躍的に向上する瞬間がある事に気が
ついたのである。
それは、自分自身がその会話相手の施術をしている時。
患者さんとして、その人の身体を触れる前と後とでは、英会話における
言語能力に極めて大きな差が見られたのである。
多分これって、よくメディアのインタビューに慣れていない野球選手
が、ボールを手にしていた方が、上手く話すことができる、なんて話
を聞いたことがあるんだけど、それに近いのかもしれない。
施術中とか、施術後だと、頭の中でちゃんと英語の回路がつながって
いて、自分の言いたい単語が自然と浮かび上がってくるんだよね。
これがただ単に父親のそばに座っているだけど、まるで頭がセーフ
モードになってしまうくらいに、パフォーマンスが落ちるのである。
って事はこの先、少なくともしばらくは、私は自分が円滑に話したいと
思う人に対しては、まずはその人の身体に触れるなり(いやらしい意味
でなく)、施術をしなきゃいけないんだろうか。
それはそれで難儀な身体である。
もう少し楽に話せるようになるといいなあ。