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ALWAYS 三丁目の夕日
今回は映画ネタ。見てきたのは「ALWAYS 三丁目の夕日」
この映画を一言でいうと、「すみません、泣けませんでした」である。
だがしかし、泣けなかったからつまらない、と言いたい訳ではなく。
物語は昭和33年の東京。夕日町という架空の街角に住む、鈴木オートの
家族と、その向かいに住む駄菓子屋の茶川一家?を中心にして進む物語。
遠景には建設途中の東京タワー、大通り(桜田通りか外苑東通り?)には
都電が走る町並み。それらのほとんどがCGである事にまず驚かされる。

鈴木オート所有のオート三輪にせよ、はたまた初めてTVや冷蔵庫が来た
エピソードなんていうのは、演出が上手いなあ、と思うし(当時って、
メーカーの補償制度ってなかったのかな)。

また例えば、夏に扇風機に向かって、あ〜って声を出してみたりとか、
大掃除の時に障子を破くのが快感だったり、また意味も無く家と家の
間の狭い隙間を通り抜けて、「探検ごっこ」をするなんてのは、自分が
小っちゃかった時にもやっていた事で、懐かしい気がしたり。

また、堤真一演じる頑固オヤジぶりとか、また薬師丸ひろ子のお母さんも
そして堀北真希演じる住み込みの六ちゃんあたりも、キャストが当時の
雰囲気を上手く出している感じがしたし。

なんだけど、なんとなく、どこか書き割りっぽい感じがしちゃうので
ある。
ラーメン博物館とか、ナンジャタウンとかの、レトロっぽいものを
並べてみました、って感じが否めないというか。
多分、その辺が泣けなかった理由の一つなのかなあ。

自分が泣けなかった理由としてもう一つ考えられるのは、この映画の誰か
に感情移入できなかったっていうのもあるかもしれない。
立場的には、多分、吉岡秀隆演じる茶川龍之介が身につまされるし、
一番近いんだと思うけど何となく、生活感がないというか。

だから個人的には、三浦良和演じるタクマ先生が一番近い感じなのかも。
その人々の暮らしをまぶしくは見られるけれど、決してそこには加われ
ない寂しさというか、切なさというか。

多分ね、この当時を生きていた人たちにとっては、同じような話は沢山
あったろうし、その人それぞれの物語があったことを、この映画は思い
出させてくれるんだろうな、と思うのだよね。

また例えば、家族みんなでコタツに入って、今だったらおじいちゃん、
おばあちゃんの若い頃の事を思い出しながら、この映画を見て一家団欒を
するっていうのが、この映画の正しい見方なんだろうな、と思うのだ。

同じく自分にも、小さい頃のエピソードなんていうのは沢山あるけれど、
それを一緒に語る相手と見ていない、というのが一番の問題なのかも
しれない。
やっぱりね、小さくてもあったかい我が家っていいなあ、なんて思うし。


ついでながら、この映画に描かれた人々がもし、現実に生きていたら、
なんて事を考えてみる。

映画の中で彼らが住んでいたと思われる場所は、東京タワーの近さ、また
都電が走っていたことを考えると、港区の赤羽橋とか、東麻布あたり?
(パンフを読んでいないので詳しくは知らないんだけど)なのかも。
近くに狸穴とかあるし。

その5年後、東京オリンピックの頃には、彼らのすぐ近くの頭上を、首都
高速が横切るようになり。
そしてまもなくして、都電が廃線になり、モーターリゼーションが発展
する頃には、鈴木オートも大発展を遂げているのかもしれない。

そして、もし今も彼らが生きているとしたら、六ちゃんが66歳くらい
だから孫は当然いるんだろうし、茶川龍之介は当時35歳だとすれば、
今頃は82歳くらい。鈴木オートの社長はそれより年上に見えたから、
今なら84〜86歳くらいなんだろうか。
いい余生を送ってほしいものである。

そしてあの悪がきたちが、団塊の世代だから、今頃54位なんだろうなあ。
彼らの何人かは、学生運動に参加したりもしたのかも。

そう考えると、決して遠い昔のことではないんだよね。
その時代を生きた人にはあっという間の出来事なのかもしれないけれど、
そのあっという間の風景の変化、というのが後から生まれた人間に
とっては、やっぱり一番の驚きなのかもしれない。
| 映画・演劇 | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
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